スーパーブロック

   
 スーパーブロック

  

 原意はたんに超越的大街区。これは「札幌駅北口周辺地区基本構想計画報告書」(1975年、北大太田研究室+都市設計研究所)のなかで提示されたもので、ほとんど注目されないでいるが、その可能性の大きさは計り知れない。札幌市役所に在職中孤軍奮闘のかたちでスーパーブロック構想実現の足がかりをつかもうとしたが、ほとんど暖簾に腕押しのかたちであった。
 ご承知のように札幌市は一町(約109m)単位の碁盤目状の道路配置となっているが、報告書は交差点間隔の短さが自動車交通の円滑化を阻害しており、それを2倍に延ばすことで解決を図ろうとして、結局左図のような交通体系を提案する。現在の一町単位の均一な配置パターンは、二町単位の自動車道路配置パターン(黒)と歩行者道路配置パターン(赤)が一町分上下左右にずれて(報告書はこれを「位相をずらして」と表現する)重なるかたちへと変化する。
 現在の街区構成でも一方通行や信号機のコンピューター管理により自動車交通の円滑化が図られるなら、この提案が忘れ去られるのも必然と言えるが、歩行者道路のネットワークの必要性を論じる観点からはまったく別の、そう圧倒的といっていいほどの意味を持ってくる。無機的な道路配置と思われがちな碁盤目状だからこそ生まれた構想であることに注意してほしい。
 たんなるチェック模様がなぜそうなるのか、ひまと時間のある読者はぜひとも考察をめぐらしていただきたい。イマジン!

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